電子は、原子核の周りを回っているか。

昨年末からずっと量子のことを考え続けているのですが、未だ考えがまとまらず年が明けてもなかなか書き出せない。原子核と電子の間には何があるのか、原子は丸い粒のように描かれるけれども本当にそんな形をしているのか、電子は原子核の周りを周回しているとしたら何故核に落ちていかないのか… 

http://www.sci.osaka-cu.ac.jp/phys/nuclear_physics/about2.html
本当にこんな風になっているのか…と考え中。

例えば上の「原子」の図のように、原子の構造は、小さな原子核の周囲をいくつかの電子が回っているようなイメージで描かれますが、赤い丸で表現されている電子が実際にどういう動きをしているのかは全く不明です。複数の電子をつないでいる円形は、電子の軌道を表しているのでしょうが、こういう絵を見れば、多くの人は、惑星が恒星の周囲を回っているような状況を想像してしまうのではないでしょうか。

見る方が勝手にそのような想像をしてしまうわけですが、では、このような図を書いている本人は、この円形の線で何を表そうとしているのでしょう。それはやはり、電子が軌道を持っている=原子核の周りを回っているという考えで、このような「実際には存在しない線」を書いてしまうのでしょう。

しかし、電子は波の性質を持つ量子であるという量子論の考えからすると、このような絵は全く正しくない。そもそも電子は、この絵の赤い点のようにどこか一点に存在する粒では無くて、敢えて絵に描くならば、原子核の外側にぼやっと存在する殻のようなものになるはずです。上の絵では、電子の外側に何の説明もなく薄い色が丸く塗られていますが、おそらくこれが見掛けの原子の外殻ということなのでしょう。この絵だと原子核と電子の外側を得体の知れない球形の何かが覆っているような描き方になっていますが、もちろんそんな何かは存在しないはずですね。

原子が原子核と電子で構成されているとして、それがこの絵のように見掛けは粒状に見えるのだとしたら、それは一体何が粒状に見えているのかというのが私の疑問です。原子の外側には、電子しか無いはずなので、殻のように見えるのは「量子としての電子」であるということになります。

原子核を構成する陽子、中性子は、上の絵では丸い粒が密着して原子核を作っているように描かれていますが、陽子、中性子も波の性質を持つ量子なのであれば、こんな風に丸い粒として存在するわけでは無いでしょう。

然しながら、原子/分子には、確かに目に見える物質としての殻(外形)があって、それが光や力を反発するので、我々はその物質を見て手で触れることが出来る。でも電子が原子核の周りを高速で回る小さな粒であったなら、それに触ったり出来るわけがありません。触ろうとする原子と手を構成する原子が、互いの電子と原子核の隙間を通り抜けてしまうでしょう。

大きな太陽の周りを小さな惑星が回っている太陽系と、それが集まった銀河系を外側から見ても、決して大きな丸い粒のようには見えないし、それが密着して結合して大きな何かを作るということもありません。せいぜい「もやっとした雲」のように見えるだけで、原子/分子の外殻とは全然違います。原子の構造は、恒星の周りを惑星が回っているような形とは全く違うはずですが、円を描いて回っているような図が多いために、誤ったイメージを持たされていたのだと気づく。<つづく>

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