時間は、流れてなどいない。(7)

モーガン・フリーマンが語る宇宙 S6 時間は逆行するのか? (ディスカバリーチャンネル)


物理学者が言うように時空には過去と現在と未来が同時に存在しているのだとする。そうすると私はいったいどうゆう仕組みで過去や未来でなく現在を見ているのだろうか。いや、どうして過去や未来を今として体験することが出来ないのだろうか?

番組に登場したある学者は、脳がそのように現在のみを選択して見ているからだと言う。つまり脳の仕組みによって、未来や過去でなく現在という時間のみを体験するようになっているのだと。
しかしそれは全くおかしな理屈に合わない考えです。だって、脳がどうこうと言うのであれば、機械は時間を認識しないはずでしょう。ならば、ビデオカメラとレコーダーで映像や音を記録したときに、時間のどの部分が記録されるか不明という事になりはしませんか。何故ならそこに脳の仕組みなど存在しないからです。

ビデオには過去、現在、未来の全てが記録されるているが人間の脳が現在のみを選択して見ていると言うのか? カメラが人間の脳と同期して現在を選択的に記録すると言うのか?

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時間はこんな風に存在しているのでは無い。

なぜ同時に存在しているはずの過去や未来を現在として体験できないのか。それはたぶんこういう事だと思います。

地球から1光年離れた星の光は1年かかって地球に届きます。
では、時空の未来方向に1光年離れている星の光は、いつ地球に届くのでしょうか?
光が時空を過去方向に進めるものとして、1年かかって地球に届くとする。1年後の未来から1年かかって過去に1年進んで(戻って)くるのだから、+1+1-1=+1という計算になるでしょう。つまり1年後の未来に地球に届くのです。

過去の時空からの光はどうなるだろう。1光年過去の時空からの光が1年かかって未来に1年進むのだから、-1+1-1=-1年となる。つまり1年前に地球に届いている。

結局、時空の未来・過去は、この世界の過去・未来と同じ時間にあるように見えることになる。目に見える時空は全て現在になるので人間は現在しか見ないのだとそういう事になります。脳が高度な働きで現在のみを選択して見る必要など無いでしょう。
(時間を+1ー1と単純に計算する考えに疑いを持たれることと思いますが…)

他の人はどうか知りませんが、私自身は時折、時間のループという状況を感じることがあります。それは今体験した出来事を以前にも経験したような気がするとか、それどころか何回も繰り返しているような気がすることもあります。過去と現在の時間の順番が違っているような違和感とでも言えば良いでしょうか。しかし、未来の出来事を今経験しているように思ったことは未だかつてありません。この体験は時間の流れが脳の中で作られているという説の裏付けのようにも思えますが、一時的な記憶の混乱という説明も出来ると思います。

時間は流れていないのに、何故過去から未来という順番が存在するのか。未来、現在、過去と言うのは時間が流れたり進んだりしている訳ではなくて、情報の状態変化を認識しているのだと考えます。実際には、現在と言うのは最新の過去だと考えられるので、未来と過去の2つの状態があるだけでしょう。それは「未来の確率」と「過去の記録」と言っても良いと思います。(※)

運命について考える(5)の考察です。

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時間は、流れてなどいない。(7) への1件のフィードバック

  1. Hollow Man より:

    時空の未来方向とか過去方向とか簡単に言っていますが、時空の方向とは何でしょうか?現在から見てどの方向が過去で、どの方向が未来なんでしょうか?

    第4の次元の時間軸というものを想像する時に、何となく軸の一方が過去で他方が未来のように考えてしまいますが、そんな方向性があるわけじゃないでしょう。空間に例えて言うと、どちらの方向に1光年離れていようが、方向によって何か状態が違うという事はありません。時空でも同じことで、時間的に離れているというだけで、どちらが過去だ未来だという事は無いわけです。あえて言うならどちらを向いても全部が過去でしょう。

    未来はどこにあるのか、そもそも未来とは、どこかに存在する何かなのか?

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