自分が未だ経験していない未来も、時空間には、既に存在しているのでしょう。

 

SFのタイムマシンというのは、よく考えてみると本当の意味でのタイムマシンではありませんね。

時空間の存在である自分を運ぶ乗り物ではないからです。タイムマシンで過去に行って過去の自分に会うという考えは、とても奇妙です。だって、過去も未来も現在も、時空間の中での自分というのは、ひとつの存在なのですから、その自分が乗り物に乗って過去や未来に行こうが、外国に行こうが、自分が分裂するわけではないので、もうひとりの自分に会うなんてことは起こる訳がありません。

人間は、時空間の中で一個の存在なのです。そうすると、もしも時空間の存在を見る目があれば、人間の過去も未来も全てを見ることができる事になります。例えて言うと、未来が頭なら過去は足というような事なので、もしも、時空間の鏡のようなもので自分自身の姿を見ることができるなら、過去も未来も全て見ることができますね。自分が未だ経験していない未来も、時空間には、既に存在しているのでしょう。本当にそれを見ることが出来たらと思います。

だから、時空間を自由に移動できる本当の意味でのタイムマシンがあったとしても、この世界の過去や未来に行くことはできません。時空間の別の場所に移動できるだけです。我々は、時空間で静止しているわけなので、そこから動くということは、この世界の過去や未来でなく、別の世界に移動するということになります。

それじゃあ、既に存在している自分の未来を変えることは出来るのか?  理論的に考えて、それは可能ですね。 例えて言えば、時空間の自分に対して肉体改造とか整形手術のような事をすれば、未来だけでなく、過去も現在も全て変えてしまうことができるはずです。


Wikipedia 時間の遅れ より引用

特殊相対性理論では、物体が高速で移動するほど、その系における時間の流れが遅くなる。速度の上限は光速なので、光速に近い速さで運動する物体はほとんど時間の進みがないことになる。静止している観測者の時間の刻み幅をΔt とすると、運動体の時間の刻み Δt’ は、光速をc、運動体の速さをvとして、

\Delta t' = {\sqrt{1-(v/c)^2}}\Delta t

となる。これは、時間と空間を合わせて座標変換をしないと、電磁気学の法則に現れる光速 c の意味が説明できない、という理論的な要請から導かれたローレンツ変換による帰結である。 この事実は、宇宙から飛来する素粒子(宇宙線)の寿命が地上のものより長いことなどから確認されており、現代の素粒子論や場の理論は、特殊相対性理論を基礎に構築されている。


タイトルが「時間の遅れ」と言っているように、前提として結果が必ず遅れになる式ですね。
この式のとおりに、高速で移動することで時間の進み具合が遅れると、過去に戻れるのかというと、そうではなくて、外の世界がゆっくりと未来に進んでいる様を見ることになりそうです。(ではなく、自分より速くかな?相対的には、お互いに相手が高速で動いているわけだから、お互いに相手の時間が遅れているように見えるのかな?)
仮に前提を覆して、vcより大きくなるとしても、その場合は、Δt’ が虚数になってしまうので、やはりこの世界の過去や未来に行くことはできません。速度が光速を越える場合は、過去や未来に行くのではなく(数学的には)別の時空間に行ってしまう事になりそうです。この空間をどんなに高速で移動しようとも過去にも未来にも行けない、そういう方法では、タイムマシンは実現できないということです。 (左の図は、あまり上手くないし正しくもないですがイメージ図です。)

空間でなく「時空間」を移動する方法については、物理学者もまだ何も見つけていないと思います。この世界の物質は全て光と同じもので出来ているという推測が正しければ、この世界のどこを探しても調べても「時空間」を移動するものを見つけることは出来ないでしょう。それは、光速がcでない世界を探すということになりますから。

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自分が未だ経験していない未来も、時空間には、既に存在しているのでしょう。 への7件のフィードバック

  1. Hollow Man より:

    理屈はそうだけど本当に未来が既に存在していると思うのは気が進まない。それを認めてしまうと占いとか運命論とかを擁護することになってしまうようで。ブラックホールの存在を認めたくない気持ちと同じ。

  2. Hollow Man より:

    高速で移動する相手がどう見えるのか?お互いをカメラ映像で確認しようとする場合、そのカメラと受像機の間の通信時間の遅延が発生するので、お互いに少し前の時間の姿を見ることになる。加速中は、動きがだんだん遅くなるが、加速が終わって一定速度になると、時間の進み具合は、自分と同じになる。減速中は、速く動いているように見えるけれど、停止すると普通の動きに戻る。のかな?

    • Hollow Man より:

      やはり何かおかしい。この時間の遅れについて解説しているページを見てみたが、どのページを見ても、速度というのは相対的なものであるという基本的な概念が欠落している。速度と言うのは相対的なものなので、時間の遅れは、お互いを観測する双方に同じ分だけ発生する。そうするとお互いの間では、時間の進みは全く同じある。それでは、地球上にいる人間と、銀河系のあちこちの星にいるかも知れない宇宙人達の時間の進みは、どういう事になるのか。それぞれ別々の速度で進んでいるが、どれか一組のペアで見れば時間の進みは同じはずだ。そうすると解はひとつしかない。全ての星で時間の進み具合は同じである。この式の前提である静止した観測者とは、別の時空間にいる観測者のことではないのか?それなら辻褄が合う。けれど、そうであれば、航空機の原子時計の時間が遅れたという実験結果には、別の原因がある。

      • Hollow Man より:

        「相対性理論」という言葉に惑わされているようです。相対性と言いながら「静止系」とはこれ如何にという話なんでしょう。静止系とは何か。それは空間そのものである。(2014.12.26)

  3. Hollow Man より:

    皆さんは、下記のページの説明が理解できるでしょうか?

    1.5 ちょと寄り道(2) 見かけだけ?
    http://www.geocities.jp/maeda_hashimoto/tor/tor_ch01pr04p01.htm#yorimiti2

    私には、b地点でもc地点でもレーザーに焼かれてしまうとしか考えられない。静止系と移動系という概念はこれで合っているのでしょうか?私かこの著者のどちらかが、完全に考え違いをしていると思う。

  4. ピンバック: これは驚いた。人間の無意識は、5秒先の出来事を察知できるらしい。 | Hollow Man – 神なき時代の「人生の目的」

  5. ピンバック: 運命について考える。 | Hollow Man – 神なき時代の「人生の目的」

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